大学名
フランクフルト大学

ドイツ
地域
ヨーロッパ
原語または英語名
Goethe-Universität Frankfurt
学部

構成(組織・教員数・学生数)
・教授2人:「文学・文化研究」,「文化史・思想史」
・助手3名:1名は学生相談など,2名は日本語教育も担当
・常勤講師2名:日本語教育担当
・非常勤講師:日本語教育担当2名,専門科目担当3名(「思想・文学」,「美術史・古典文学(草書解読)」,「日本文学翻訳」)
・日本に重点を置いた他学部・学科の教員の授業(法学,経済学)も提供(日本の法律の研究ができるドイツで唯一の大学)
・学生数(過去数年の日本語平均履修者数,副専攻日本語履修者を含む):
1学期:約150名,2学期:約100名,3学期:86名,4学期:73名(2017秋は158名が日本語Ⅰを履修し,1学期末試験受験者は94名,合格は80名)
・フランクフルト大学の日本学研究教育は1960年に遡るが,2003年に文学・文化研究の教授が,2009年に文化史・思想史の教授が着任。以来学科の充実を図っている。
日本語学習の主たる目的
日本学研究の前提として,現代日本語の高度な能力(読解力,口頭および筆記によるコミュニケーション能力)を身につける。日本語能力の獲得自体が目的ではない。
必修科目
日本語
J1 現代日本語Ⅰ(文法,読解,会話,聴解)
J3 現代日本語Ⅱ(文法,読解,会話,聴解)
J5 現代日本語Ⅲ(読解と文法,会話と聴解)
J8 現代日本語Ⅳ(読解と文法,会話と聴解)
※副専攻の学生はⅢまで

日本学
J2 日本学基礎
J4 日本学の参考資料と方法
J6 日本文学・文化研究の領域と重点
J7 文学と思想史:日本学教育研究Ⅰ
J9 応用日本学
J10文学と思想史:日本学教育研究Ⅱ
J11 学士課程コロキウム:日本文学と文化‐歴史と現在
J12 卒業論文モジュール
J1-J12主専攻の学生は必修
日本人教員情報
非常勤講師4名:日本語教育担当2名,「思想・文学」担当1名,「日本文学翻訳」担当1名
採用の条件:理想としては博士学位取得者だが,現実は柔軟に対応。
目標とする日本語のレベル
4学期修了時の目標として平均的な学生はN3合格,優秀な学生はN2合格。N1合格者も学年に数名はいる。
必須科目の使用テキスト
・Rickmeyer, Jens; Ikezawa-Hanada, Hideo; Hansen, Annette: Japanisch-Grundkurs 1 / 2
・水谷信子『総合日本語―初級から中級へ』
・Kanji und Kana I. Handbuch
他に以下の補助教材を指定
・NHKラジオワールドニュース
・ANNニュース
・国際交流基金日本語国際センター「エリン」
・ロゼッタストーン
卒業生の進路
・卒業生は銀行など経済界に進む者が多い。
・遺伝子工学などの分野に進む者もいる(副専攻で生物学などを履修する場合)。
・学校教員あるいは(将来)大学教員になる卒業生はほとんどいない。 (フランクフルト,ミュンヒェン,ボンなどで日本語授業を提供する学校もある)
学習上の困難点
やはり漢字学習が困難。勤勉と忍耐が必須だが,最近の学生は集中する力が劣っているという印象を受ける。
大学院

構成
・教授2人:「文学・文化研究」,「文化史・思想史」
・非常勤講師:専門科目担当3名(「思想・文学」,「美術史・古典文学(草書解読も)」,「日本文学翻訳」)
・日本に重点を置いた他学部・学科の教員の授業(法学,経済学)も提供(日本の法律の研究ができるドイツで唯一の大学)
・専任講師1名は漢文も含む古典の授業を担当
・修士課程は研究に重点を置く課程。
・博士課程在籍者9名の研究領域:文化史,現代詩,文学,映画,思想史,(japanische Kreativindustrie)
研究領域・方向性
「世界の中の日本:グローバルな挑戦,文化の視点」
文学・文化研究(Literatur- und Kulturwissenschaft),文化史・思想史(Kultur- und Ideengeschichte)
ベクトル:法学(Recht),経済学(Wirtschaft)
コースの特徴
・修士課程のモジュール
MA1 世界の中の日本:歴史と文化の視点
MA2 理論と文献購読:歴史と文化の視点
MA3 研究ゼミⅠ
MA4 世界の中の日本:理論的・方法論的接近
MA5 理論と文献購読:理論的・方法論的接近
MA6研究ゼミⅡ
MA7 世界の中の日本:現代の挑戦Ⅰ
MA8 世界の中の日本:現代の挑戦Ⅱ
MA9 研究ゼミⅢ
MA10 修士論文モジュール
・修士課程進学の前提:日本学学士課程修了,日本語能力試験2級以上,高度な英語能力
学位授与
HP掲載情報(HPに2007年以来137本の卒業論文題目掲載)
修士論文(旧制度のMagisterarbeit)2004年以来55本
修士論文(新制度のMasterarbeit)2011年以来26本
博士課程9名在籍(2018年2月)
博士学位取得者:4名
「日本におけるロボット受容」(2008)
「現代日本における愛国心をめぐる言説」(2013)
「日本語教材(e-learning)に見る人間像」(2013)
「人間,社会,大災害 - 現代演劇の時代批評」(2017)
卒業後の進路
学士過程と同じ傾向が見られる。
回答者の個人的な印象としてはモラトリアム型の学生が多いとのこと。
留学

位置づけ
協定大学への留学を推奨している。期間は1学期あるいは2学期。学年で5人程度が3学期目と4学期目に留学している。
提携大学
・同志社大学,大阪大学とは大学間交流協定がある。
・立教大学文学部,明治大学とは日本学科との間に交流協定がある。
・協定ではないが,教員同士の関係に基づいて専修大学と遠隔授業実施の実績がある。
留学に対する意識・条件・選抜
留学の意義は,大学の授業で得た知識・能力を実際に運用して深めること,現代および過去の日本文化の諸現象に現場で取り組むこと,将来の卒業試験と研究計画に関して考察を深めること。
留学後の学生の状況
留学による日本語能力・日本学学修に顕著な向上が見られる。(回答者の表現だと「めちゃくちゃ伸びる」)
その他情報
教材開発など。日本語授業の見学は大歓迎。
調査協力者
Guido Woldering
調査者
成田 節 
調査日
2018/02/09
資料

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