大学名
中国文化大学(外国語学部日本語文学科)

台湾
地域
アジア
原語または英語名
中國文化大學 (外國語文學院日本語文學系 )
学部

構成(組織・教員数・学生数)
・日本語文学科は、1963年に設立された。
・学部学生:約498名(8クラス)。
・専任教員:16名(うち日本人教員5名)。
・(副教授:方献洲・鄭婷婷・齋藤正志、助理教授:凃玉盞・塚本善也・鍾季儒・許容敏・沈美雪・陳順益・黃金堂・山本和行・陳毓敏・林孟蓉・蔡珮菁、講師:志村雅久・松室美年)
日本語学習の主たる目的
・学部教育:各年次の日本語教育の学習を行い、聴くや話す、読む、書く、訳すなどという五つの技を身に付ける学生を訓練し、国際的視野を広く備えて台日文化交流に役立つ人材を養成すること。
・修士課程教育:学術研究に志す学習者を招き、優秀で熟達した日本語力及び精緻な学術研究能力を向上させ、さらに日本語学、日本文学、日本語教育学などの領域において個人の独創や見方を提出できる研究人材、日本語教育に従事する人材、国際交流人材を養成すること。
必修科目
1年次と2年次は日本語基礎課程を主とし、初級読本・中級読本・会話・文法・作文・演習などの科目を設け、それぞれ週に2~4時間の授業がある。3年次と4年次は日本語実用課程を主とし、高級読本・会話・文法・作文・翻訳・演習などの科目を設け、それぞれ週に2~4時間の授業がある。また、卒業生の就職進路のために、情報処理や新聞日本語、秘書実務、観光実務、コミュニケーション、通訳など実用系科目を設けるほか、進学に志す学生を対象に、日本文學や日本文化、日本語修辞などの科目も開講している。一方、日本語教師を目指す学生は、本学領域別教師養成専門コースを申請することも可能である。
一般科目、共通科目は32単位である。専門必修科目は68単位である。(初級日本語、日本語会話Ⅰ、中級日本語、日本語会話Ⅱ、基礎日本語聴解、日本語文法Ⅰ、日本語練習、上級日本語、日本語会話Ⅲ、日本語文法Ⅱ、日本語作文、翻訳、日本語聴解Ⅰ、日本語聴解Ⅱ、日本語会話Ⅳ)
(http://japanese.pccu.edu.tw/ezfiles/76/1076/attach/46/pta_627_5776781_08669.pdfを参照。)
日本人教員情報
当学科は現在日本人教員が5人いる。それぞれの専門については、以下のとおりである。
・齋藤正志(副教授):日本中古文学・日本現代文学
・塚本善也(助理教授):日台交流史・異文化交流
・山本和行(助理教授):日台教育史・植民地教育史
・志村雅久(講師):翻訳教育・通訳教育
・松室美年(講師):文法教育・日本語能力試験検定研究 また、それぞれの担当科目については以下のとおりである。
・齋藤正志(副教授):日本古典文学研究・日本文学史・日本近現代文学・日文写作
・塚本善也(助理教授):日本語会話・日文写作・日本語実習
・山本和行(助理教授):日本語会話・日文写作・日文習作
・志村雅久(講師):中日通訳・日本語会話・情報処理
・松室美年(講師):日本語会話・日文習作・日本語実習・日本語能力試験
目標とする日本語のレベル
日本語能力試験N2または旧2級合格を卒業条件の一つとする。
卒業時までにN1(または相当レベル)に合格する者が多数である。
必須科目の使用テキスト
・『來學日本語』初級Ⅰ、Ⅱ(尚昂文化
・『來學日本語』基礎進階Ⅰ(尚昂文化)
・『日本語GOGOGO Ⅱ』 『日本語GOGOGOⅣ』
・『日語語法之分析4 助動詞.接續詞.連體詞.感動詞』(文笙書局
・『大家寫作文』(大新書局)
・『適時適所日本語表現句型200』(大新書局)
・『日語語法之分析4 助動詞』(文笙書局)
・『日語語法之分析1動詞』(文笙書局)
・『新文化日本語初級3』(大新書局)
・『進階 日本語GOGOGO4』
・『新日本語の中級ΙⅡ』(大新書局)
・『新日本語の中級』(大新書局)
・『New Approach 中上級日本語(完成編)』(宇田出版社)
・『日本語表現の教室 中級―語彙と表現と作文』(致良出版社)
・『日本語を書く楽しみ』(致良出版社)
・『新文化日本語中級』1、2(大新書局)など。
卒業生の進路
日系商社、航空会社、出版社、観光ガイドと旅行代理店での就職、翻訳業、留学、大学院進学などがある。
学習上の困難点
読解やライティングより、ヒアリングとスピーキングのほうの習得がやや難しいことが挙げられる。
大学院

構成
修士課程大学院生:28名在籍。
研究領域・方向性
当大学院は、台湾における初めての日本研究教育機関である。近年以来は教育方向及び研究領域について、日本語学(日本語教育を含む)・日本文学・日本文化という三本柱のかたちで発展していく。
コースの特徴
大学院のコースは、各年次において自由に履修することができる。入学から2年間以内で研修主題と指導教員を決める必要がある。課程履修期間は、一般講義のほかに各専門領域におけるあるべき研究方法や概念をしっかり学ぶことを目的とする。より優れた日本語力を向上させるとともに、学術研究に従事するあり方を習得・活用させることを最終目標とする。
学位授与
修士論文の試問に合格し、総単位数を取得し、卒業資格に値する者に文學修士が授与される。1970年から2012年までの修了生は383人である。
卒業後の進路
日系商社、航空会社、出版社、観光ガイドと旅行代理店での就職、翻訳業、留学、大学院進学などがある。
留学

位置づけ
姉妹校とは相互に短期留学生を派遣し、日本で履修した単位を本大学での単位として認めることができる。また、ダブルディグリー制度を結びつけた姉妹校もある。
提携大学
2012年までの日本関係学術協定校は以下のとおりである。
天理大学、国士舘大学、別府大学、大阪国際大学、創価大学、尚美学園大学、東京国際大学、淑徳大学、徳山大学、大阪経済法科大学、平成国際大学、二松学舎大学、早稲田大学、名古屋学院大学、明治大学、神田外語大学、高知大学、首都大学東京、敬愛大学、東洋大学。
留学に対する意識・条件・選抜
毎年、短期留学に意欲があり、また相当する日本語能力のある学部生や大学院生を選抜し、姉妹校に推薦派遣する。私費交換留学生を含めて年に約20名前後の学生を派遣している(但し、院生は研究科のある姉妹校へしか派遣しない)。
留学後の学生の状況
短期留学で派遣されて帰国した学生は、語学力の向上のみならず、国際視野を広げ、その後正式に日本に留学する、または有力な条件となる留学歴を持つため就職に役立っている。
その他情報

調査協力者
方献洲(中国文化大学外国語学院日本語文学科主任)
調査者
谷口龍子(東京外国語大学国際日本研究センター准教授)
調査日
2013/05/18
資料

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その他
本大学の歴史は、以下のとおりである。
・学部:
1963年 国内最初の大学日本語教育機関として東方語文学系(=科)日文組(=コース)を創立。
1991年 日本語文学系(=科)に昇格し、現在に至っている。

・大学院:
1963年 学術研究を従事する専門機関として、中華学術院・日本研究所を前身として創立。
1968年 修士課程を設置し、大学院教育を正式に発足。
2003年 日本語文学研究所に改称。翌年に日本語文学系と合併し、日本語文学系大学院修士課程となり、現在に至っている。
外大関係者情報