大学名
ナポリ東洋大学

イタリア
地域
ヨーロッパ
原語または英語名

URL
学部
日本語学科あるいは関連学科
構成(組織・教員数・学生数)
日本語関係の教員は9名(うち1名は日本人教員)。また母語話者の教師は6人。歴史や外交史など4名。
学部は廃止され、学科(dipartimento)のみから構成されている。
教員は、アジア・アフリカ・地中海研究学科、人文社会研究学科、文学・言語学・比較研究学科のいずれかに属し、それぞれが学生のコースに出向いて、いわば研究群を構成する。学生の履修コースは比較言語文化コース(約6割)、アジアアフリカの言語文化コース(約3割)、政治・国際関係コース(1割)を履修する。 学士課程は3年で、その後、マジストラーレと呼ばれるより専門的な学習ができる課程がある。
その後、大学院博士課程に進むが、このマジストラーレは、見方によると修士課程に見えるが、履修学生の多さからすると学部の一部とも考えられる。
現在学部1年生の履修生は400人、2年生は300人、3年生は150人、マジストラーレは2コースで100人程度。総学生数は800人ぐらいになる。
日本語学習の主たる目的
1980年代前半にダイレクト・メソッドが採り入れられた。
現在は初級日本語クラスの段階から原則として日本語を使うが、文法解説ではイタリア語を併用しながら行う。
日本語によるコミュニケーションやディスカッション(実践教育)に接する機会をなるべく多く学生に提供するよう配慮している。
日本語、日本文化専攻でない国際関係学科の学生も多いため、学生たちの日本に対する興味関心を最大限引きだすために、日本語による専門用語や時事問題の解説だけでなく、日本人の行動様式・生活習慣、価値観、世論傾向など、ひろく日本の社会文化全般にかかわるトピックスも積極的に紹介するよう努めている。
必修科目
1~3年生までは週8時間の授業を履修する。
1年(2時間:導入文法、2:文法練習、2作文、2漢字、単語練習)
2年(2時間文法および会話、2文法練習、2聴解、読解、2漢字作文)
3年(文法、作文、漢字、「文化中級日本語I)、敬語、聴解-映画や生のニュース)
4,5年生に相当するマジストラーレは6時間、ゼミ選択により2時間ビジネス日本語なども学べる。
日本人教員情報
専任准教授1名(古典日本語)のほかに、母語話者の専任外国人教師が1名、非常勤の外国人教師が5名(専門は日本語教育)。
目標とする日本語のレベル
目標はN2で、留学後の学生はこのレベルに達して帰国。なかにはN1に達する学生もいる。留学しない者はN3までいくかどうかのレベル。
必須科目の使用テキスト
主な教材: ICU 編, Japanese for College Students (Basic) 1-3. Tokyo.1996(イタリア語版) S. De Maio, C. Negri, J. Oue (eds), Corso di lingua giapponese, vol. 1-3 学部1年~3年にわたって使用。
副教材: 『みんなの日本語』(スリーエーネットワーク)
東京外国語大学(編)『留学生のための国際関係』東京:三省堂.1992. その他適宜作成するオリジナル教材などを使用。
卒業生の進路
大学院博士課程への進学、マジストラーレへの進学、日本への留学、職業実習(日本の関連企業への希望多い)、観光ガイド、ワーキングホリデー(NGO)で日本へなど。
学習上の困難点
漢字、会話(文型を覚えても応用にまでいかない)。母語話者の先生の授業にあまり出なくなる。
大学院
日本語研究関連コース
構成
本大学全体の進学枠が限られており、日本語関連は毎年1名ないしは2名程度。難関でもあるが、希望者も多くない。教員は、専任教員3名および非常勤だが、研究員である2人が担当。
研究領域・方向性
文学関係が多いが、美術史、日本現代史などもある。
コースの特徴
未調査
学位授与
これまであまり授与者は出ていないが、教員のうち非常勤研究員の資格をもつ2名は本大学院の出身者である。
卒業後の進路
未調査
留学

位置づけ
1990年代半ばから留学の機会を増やす取り組みを行ってきた。
現在、東京外国語大学(1981年協定締結)をはじめとする8つの日本の教育機関と留学協定を結んでいる。奨学金も支給し、各大学に毎年平均2名の学生を送り込んでいる。
提携大学
東京外国語大学が最初の提携校。その他、大阪大学、御茶の水女子大学、神戸大学、東北大学、早稲田大学、上智大学、学習院大学、慶応大学、立命館大学、京都外国語大学、国文学研究資料館の諸大学。
留学に対する意識・条件・選抜
留学に対する学生の意識は非常に強い。
卒業後、国際関係機関(イタリアの外交機関やNGOなど)での就職を希望する多くの学生たちにとって、コミュニケーションの為の日本語並びに日本に関する知識を習得することは、日本のみならずアジア地域全体で活躍するためには、有用かつ重要なことと認識しているためである。
留学後の学生の状況
大学院に残る者以外は他の学科の学生との違いは把握していない。
その他情報

調査協力者
シルヴァーナ・デ・マイオ(ナポリ東洋大学教授)
調査者
高垣敏博(東京外国語大学綜合国際学研究院教授)
調査日

資料

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