大学名
北京語言大学(外国語学部日本語専攻)

中国
地域
アジア
原語または英語名
北京語言大学(Beijing Language and Culture University)外国語学院(College of Foreign Languages) 
学部
日本語学科あるいは関連学科
構成(組織・教員数・学生数)
日本語専攻の教員構成:
中国語教員13名(関立丹教授(日本語学科長、文学)、兪暁明教授(言語学)、朴貞姫教授(言語学)、呉珺準教授(通翻訳、経営学)、張新英准教授(文化)、賈黎黎準教授(言語学)、孫佳音準教授(言語学)、高婙準教授(文化)、王燕準教授(言語学)、単文垠講師(言語学)、楊峻講師(日本語教育)、文俊講師(通翻訳、社会学)他。
(13名のうち11名は北京大学、北京外国語大学、北京師範大学、東京大学、慶応大学、お茶の水女子大学、名古屋大学、二松学舎大学などから博士学位を取得) 日本人教員4名(芦木通保講師、松下和幸講師、江端真澄講師、小田珠生講師) 客員教授1名(塚本慶一教授 杏林大学)
1学年は3クラスで、学生数は1クラス30名程度。
日本語学習の主たる目的
大学院のコースは日本言語学、日本文学(日本文化を含む)、中日同時通訳とに分かれる。
日本語学習の目的:運用能力の育成。
したがって同時通訳等の科目を開設、日本事情、日本古典文学、日本文学史、商務日本語等の教養科目も少なくない。
必修科目
主要課程での学習項目は以下の通りである。
基礎:日本語精読、汎読、リスニング、会話、日本概論。
プロ:翻訳、通訳、同時通訳、作文、ニュース視聴覚、日本文学史、古典文学、日本文学選読および商務日本語、日本語概論、日本言語文化ゼミ
日本人教員情報
4名。(うち、博士号取得者が2名、修士号取得者が2名)
専門は日本語教育、言語学他。芦木通保、松下和幸、江端真澄、小田珠生。
重視する採用条件:現場での指導力および統率力
担当科目:日本語会話、日本語作文、通訳、翻訳、時事日本語、日本文学史
目標とする日本語のレベル
(1)言語知識と基本的な運用、および、プロフェッショナルナ舞台で役立つ人材(独立した思考と処理の問題の能力を持つ者)となる。また、日本語を使って研究する能力を養う。
(2)言語理論の基礎知識、日本文学、文化、知識、訓練、日本語における高いリテラシー、文学、文化を学び、自己学習能力を養う。
(3)特定の専門知識を習得し、専門の研究分野において実務に従事した自己学習を継続することができる。
(4)専門知識に加えて、基本的な英語の知識と能力とコンピュータの能力を養う。
(5)日本語と中国語の両言語の間を自由に行き来できる能力を養う。
必須科目の使用テキスト
『総合日語』(北京大学出版社)全4冊を使用。
3年生以降の読解の授業では、上海外語教育出版社の教科書も使用。
卒業生の進路
留学あるいは就職。留学先は、大部分は日本だが、欧米に留学する者もいる。就職先は、企業や公務員など様々な業界へ就職する。トヨタ・松下・NEC・伊藤忠商事など日本企業に就職する者も少なくない。
学習上の困難点
敬語の習得や文体の使い分けが最も困難である。
教科書にある「です・ます」体が、学生たちの好きなアニメなどではあまり使われず、使い分けに苦労する。
大学院
日本語研究関連コース
構成
大学院生は現在合計で40名程度在籍。大学院では、日本人の院生も受け入れている。同時通訳コースは中国初であり、10年の歴史がある。大学院生は2011年に全国通訳コンテストで逐次通訳一等賞、同時通訳一等賞を獲得、2012年に第一回全国日本語アナウンス通訳コンテストで一等賞を獲得。
大学院を担当している教員は、中国人8名、日本人2名の計10名である。現在は全員修士課程のみ担当だが、2013年度から博士課程も担当する。
研究領域・方向性
言語学(日本語学)の専門教員が多く、同時通訳、日本文学、日本語教育のほうも実力がある。
コースの特徴
必修科目と選択科目に分かれる。
必修科目として履修する学問分野がその大学院生の主専攻となる。
また、多くの院生が同時通訳の授業も履修するので、院生の日本語の実用能力は非常に高い。
修士論文は、報告会を開き、提出論文には匿名の審査があり、口頭諮問も行われる。
修士論文は日本語のみで、中国語で執筆することはできない。
学位授与
博士課程は2013年度に開設される予定。
卒業後の進路
公務員、日本企業、フリーの通訳、マスコミなどが多い。大学の日本語の教員になるには、一般に博士号が必要なので、大学院修了後に大学教員になる例は多くない。
留学

位置づけ
3クラスのうち1クラスが普通クラス、残り2クラスは留学クラスとなっている。
留学クラスでは「2+2」というダブルディグリーの制度をとっており、最初の2年間を北京語言大学で学んだ後、後半の2年間は日本の協定校に留学する。
北京語言大学との間でダブルディグリーの協定を結び行っているのは、北陸大学・帝京大学・関西外国語大学・杏林大学である。
提携大学
大阪大学、早稲田大学、東京外国語大学、金沢大学、杏林大学、北陸大学、帝京大学、関西外国語大学、山梨学院大学、櫻美林大学、愛知大学、十文字学園女子大学、広島修道大学、創価大学、姫路独協大学、帝塚山大学、北九州市立大学、神田外国語大学、神戸市外国語大学、文京学院大学、名古屋学院大学、東洋美術学校等
留学に対する意識・条件・選抜
留学クラスの2クラスの学生は、後半の2年間日本に留学する。
普通クラスの学生も、交換留学の制度を利用して、30人のうち20人以上の学生が日本の大学に1年間留学する。
留学先は京都大学・大阪大学・早稲田大学・愛知大学・桜美林大学・文京学院大学・愛知学院大学などが多い。
留学後の学生の状況
日本での留学期間が終った後も引き続き日本の大学院で留学を続ける者、欧米の大学院に進学する者、企業に就職する者など、様々な進路がある。
その他情報

調査協力者
関 立丹(北京語言大学外国語学院教授)
調査者
三宅登之(東京外国語大学大学院総合国際学研究院教授)
調査日
2012/08/22
資料

コメント

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その他
関係者:卒業生の中に東京外国語大学で国際協力コースで勉強している者がいる。
要望:
1、東京外国語大学とは、学生の短期交換留学を望む。
2、2+2の相互派遣を望む。日本語学部の中国人学生が、最初の2年間は北京語言大学で学び、後半の2年間は東京外国語大学で日本語を学ぶことにより、北京語言大学と東京外国語大学の両方の学位を取る(ダブル・ディグリー)制度ができれば理想的である。また、東京外国語大学から2+2の中国学習者の派遣も考えられれば、望ましい。
3、大学院の中日同時通訳コースは日本人の留学生を募集しているので、東京外国語大学の卒業生の応募も歓迎。
外大関係者情報