大学別データベース

大学名
リオデジャネイロ州立大学

ブラジル
地域
アメリカ
原語または英語名
UNIVERSIDAD DE ESTADO DE RIO DE JANEIRO
学部

構成(組織・教員数・学生数)
文学部日本語学科は2004年設立。正式名称は日本語・国語(ポルトガル語)学科。日本語担当の専任は4名。内訳は、日本人の准教授1名(社会学)。日系二世の客員准教授(社会学)、日系二世の専任講師1名(文化と歴史担当) 、ブラジル人の専任講師1名(上級レベルの日本語を担当)。
日本語学習の主たる目的
日本語の運用能力の習得と日本に関する知識、専門性を高めることを目的とする。
必修科目
日本語Ⅰ~Ⅷ、日本文学Ⅰ~Ⅳ、語源学Ⅰ~Ⅱ、日本文化Ⅰ~Ⅱ(伝統文化、ポップカルチャーなどについて英語のテキストを使用)、他に教職課程科目がある。
2013年10月から日本人非常勤講師が発音とコーラス指導を通じて発声練習指導を行っている。
日本人教員情報
日本人の准教授1名(社会学が専門) 日系二世の客員准教授、専任講師各1名(文化と歴史を担当)。日本人の非常勤講師1名が発音指導のために、音楽、声楽を担当。
目標とする日本語のレベル
日本語能力試験N2合格が努力目標。
必須科目の使用テキスト
初級は、『みんなの日本語』(日本語Ⅰ~Ⅳレベル)、中級以上は複合教材を使用。
卒業生の進路
ブラジルの大企業(ペトロブラスやヴァーリ、グローボなど)において日本語に対する需要はある。しかし一般的にブラジルでは日本語能力を有すること、日本に関する知識があることはそれ自体ではアピール度が低い。他の専門領域を持った上で日本語能力があり、日本に関する知識がある場合にその希少性から成功につながる手段となる。
学習上の困難点
・かつて学習者の多くが日系人だった時には問題にならなかったモチベーションやゴールの設定とその維持の問題が、学習者の多数が非日系人となった現在問題となりつつある。たとえば、漢字、敬語や書き言葉の習得などである。
・その一方で、その問題に対する指導者側の対策は追い付いていない。
・また、日本研究に関するポルトガル語の文献が少ないことも困難点である。
・発音は比較的習得しやすい。
大学院

構成
日本語、日本研究のコースはないが、日本あるいは日本語との対照研究に関して、キタハラ高野聡美氏が研究指導を担当する。日本研究の分野で社会科学についてはエリーザ佐々木客員准教諭が指導を分担。
研究領域・方向性
ブラジルの高等教育機関の日本語学科では社会科学分野の研究が弱い。また人文、社会科学分野にしても州や連邦政府の政策に反映されるようなような研究が今までなされてこなかった。唯一80年代後半以降の日本へのいわゆるデカセギ現象に関連する一連の研究はあるが、これも常に日本主導であり、ブラジル側の学際的な研究はあまりなされていない。
コースの特徴
日本語、日本研究のコースはないが、言語学、談話分析の修士課程、比較文学、翻訳研究の博士課程で、ポルトガル語と日本語の対照研究が行われている。
学位授与
未調査
卒業後の進路
現在のブラジル公立大学の教員採用試験では原則として博士号取得者しか採用しないが、日本語の場合は人材が希少であることから、修士号取得者でも可能である。
留学

位置づけ
大学間交流協定がある大学とは単位交換認定をしている。
提携大学
日本政府招聘の国費留学生として学生は東京外国語大学、千葉大学、筑波大学などに留学してきた。その他、大阪大学、神戸大学、早稲田大学、関西学院大学法学部などに留学。
留学に対する意識・条件・選抜
日本語学科の学生の10パーセント程度がが公費留学している。
留学後の学生の状況
帰国後は翻訳の特別クラスに入る場合が多い。日系企業でアルバイトをしながら、実務のスキルを磨いたり、領事館で働く者もいる。
その他情報

調査協力者
キタハラ高野聡美(リオデジャネイロ州立大学文学部日本語学科主任准教授)
調査者
谷口龍子(東京外国語大学国際日本研究センター准教授)
調査日
2014/03/07
資料

コメント

検索キーワード

その他
・かつては日本人移住を支援するために日本からの積極的な組織的援助があったことや、現地に住む日系人に対するブラジル人からの厚い信頼感があったことから、日本語教育は他の外国語教育よりも有利な条件のもとでスタートした。
・日伯共同で取り組める研究、事業は沢山ある。この意味からも東京外大のようなポルトガル(ブラジル)語教育、ブラジル研究を行っている機関との共同研究、共同事業は有意義である。
外大関係者情報
調査協力者のキタハラ高野聡美氏は東京外国語大学出身者である。