大学別データベース

大学名
フランス国立東洋言語文化大学

フランス
地域
ヨーロッパ
原語または英語名
Institut National des Langues et Civilizasions Orientales
学部

構成(組織・教員数・学生数)
日本語学科の教員:教授(Professeur)7名、助教授(Maitre de Conferences,Maitre de Langue他)15名、専任講師(Lecteur他)7名、契約講師(ATER)3名。
学生数:1年生581名、2年生257名、3年生126名の合計964名。その他、特別課程(日本語母語話者でフランスまたは日本の高等教育の卒業証書を有する者が履修可能)8名、Erasmus交換留学プログラムの学生が12名。
日本語学習の主たる目的
文明(文化)講座と語学に同じ比重を置くことを原則としている。
必修科目
1年次は基礎科目のみだが、2年次以降は発展研究群、学際科目群、自由選択科目群も加わる。語学の基礎科目は3年間で合計877時間30分、文化に関する基礎科目は3年間で合計156時間。
日本人教員情報
日本人教員は8名在籍(含バイリンガル。教授2名、准教授6名)
専任の採用条件に国籍による差異はなく、博士論文の成績やポストドクター時代の論文等から選考。
日本語ネィティブの教員は語学の授業を多く担当する場合が多い。
目標とする日本語のレベル
1年次:日本語の文章を読むために仮名及び425の基礎漢字を用いて文を作る。初級レベルのコミュニケーションができるようになる。日本の歴史や社会に関する重要な概念を知る。
2年次:日本語の文章を分析し理解する。仮名及び900の漢字を用いて短い文章を作る。短い対話ができる。日本文化の特定の分野に関する知識を習得する。
3年次:簡単な本や自分の研究分野に関する文献を読むことができる。数ページの長い文章が書ける。日常会話ができる。日本文化に関する広く深い知識を身につける。
必須科目の使用テキスト
語学の基礎教材として『ひらけ日本語』上下(拓殖大学)を使用。
他の授業は基本的に全部オリジナル教材を用いる。
卒業生の進路
日本語の専門だけで就職をすることが年々難しくなっており、他の学位との並行履修を勧めている。日本語を専攻した卒業生が日本語と関連のない分野に進むケースも少なくない。
学習上の困難点
未調査
大学院

構成
修士課程は現在、パリ・ディドロ大学と語学以外のカリキュラムを共同で行っている。博士課程の運営は日本学部ではなく、INALCO全体によって行なわれる。
教員は現在、修士課程については講師・准教授・教授を合わせて約30人が日本語の授業と専門ゼミを担当している(一部の教員は他の大学に所属)。
博士課程は基本的に教授7人が指導を行うが、研究会などはその他の教員も加わる。
2010年の日本学の学生数は、修士課程1年生73名、修士2年生30名。
博士課程(1年次から6年次まで)は32名在籍。
研究領域・方向性
修士課程(前期1年、後期1年)は4つのコース(「歴史と人文科学」「経済と日本現代社会」「言語学」「文学」)に分かれる。
・修士課程1年目:日本語の必修授業(語学2単位、読解、翻訳の計4単位)、研究方法論の授業、日本研究関係のゼミを2つ、日本研究以外のゼミを1つ選 択。ゼミは年間284時間から323時間(選択されるゼミによって差がある)。ゼミの外に修士前期の論文提出。
修士課程2年目研究方法論の必修ゼミ、日本学研究所の必修ゼミ、さらに研究ゼミ3科目を選択。ゼミは年間122時間から180時間(選択されるゼミによって差がある)。ゼミの外に修士後期の論文提出。修士課程2年を卒業した学生は、書類審査通過後に、博士課程に進学可能。
・上記研究コースのほかに、「職業研修コース」がある。ゼミは研究コースと同じであるが、研究論文の代わりに企業などで研修する必要があり、その報告書が評価の対象となる。このコースでは博士課程に進むことはできない。
・博士課程は原則的に3年コースだが、実際には4~5年かかる学生が多い。
学生はINALCOの日本研究所(CEJ)に所属。INALCOの博士課程共通のゼミの他に、CEJの研究会参加、研究発表会参加の必要がある。実際には多くの学生が在籍中に日本の大学に留学する。
・一部の学生(年に1、2名)が博士論文を準備しながらINALCOで非常勤講師として授業を行える制度がある。
コースの特徴
2009年の学位取得者は、1年の修士号22名、2年の修士号9名。
博士号取得者は年間約3~6名(2007年3名、2008年6名、2009年4名)。
専門は日本研究の中で人文科学中心。文学、歴史、思想史、美術史、宗教学、民俗学、経済、国際問題、社会問題等。
学位授与
未調査
卒業後の進路
研究者としての道を歩む者が多い。
不定期に実施される高等教育資格試験(Agrégation)を受験する者もいる。
留学

位置づけ
日本学部の推薦を受けた学生には、単位互換を認めている。
提携大学
東京外国語大学、共立女子大学、上智大学、九州大学、立教大学、清心女子大学、東京学芸大学、早稲田大学、明治大学、大阪府立大学
留学に対する意識・条件・選抜
留学に対する関心はとても高い。留学の条件は学部2年次修了以上で、主に学部を終えて修士課程に進むレベルか、修士課程1年修了レベルでの留学が多い。
選抜は書類審査(成績・研究計画など)と面接試験で行う。留学できる学生の数は少ない。
留学後の学生の状況
留学後の進路はさまざまだが、INALCOの大学院で勉強を続ける者が最も多い。あるいは、他の大学院に進んだり、JETプログラムに採用され日本へ行く者もいる。
その他情報

調査協力者
上田眞木子(フランス国立東洋言語文化大学 日本語科准教授)
調査者
谷口龍子(東京外国語大学国際日本研究センター准教授)
調査日
2011/03/25
資料

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